2010年5月29日土曜日

もうひとつの道

接続法半過去について、まとめておきましょう。

  1. 語幹は、単純過去の語幹+母音(a、i、in、u)
  2. 語尾は、- sse, - sses, - ^t, - ssions, - ssiez, - ssent 
教師としては、このような説明の仕方をすることに決めました。

ただ、個人としてはまた別です。個人的には、石野好一、『フランス語の入門』(192頁)の以下の説明に勝るものはないと思っています。
語幹の形は直説法単純過去形とまったく同じです。
接続法半過去形の語尾も、直説法単純過去と同様に大きく3通りあります。
  • a型 je - asse, tu - asses, il - ât, nous - assions, vous - assiez, ils - assent
  • i型 je - isse, tu - isses, il - ît, nous - issions, vous - issiez, ils - issent
       (je - insse, tu - insses, il - înt, nous - inssions, vous - inssiez, ils - inssent)
    • u型 je - usse, tu - usses, il - ût, nous - ussions, vous - ussiez, ils - ussent
    どの型に属すかについても、直説法単純過去形とまったく同じです。
    おお、なんとシンプルな。

    ここで注目すべきは、単純過去と接続法半過去を貫く、法則の一貫性です。

    語幹を「作る」必要など、そもそもなかったのです。「直説法単純過去形とまったく同じ」と考えればすむのですから。なぜ、単純過去ではテーマ母音(a、i、in、u)を語尾の一部と考え、接続法半過去では逆に語幹の一部と考えなければいけないのか。同じ発想をすればいいだけの話ではないか。

    『フランス語の入門』のこのページを読んだとき、目から鱗がはらはらと落ちる音を、私は聞いたのでした。同時に、少なくとも単純過去と接続法半過去に関するかぎり、活用の「説明」などは何通りかの可能な説明の一つにすぎず、けっして絶対的なものではないという事実にいまさら気づかされて、愕然としたのでした。

    ここまで歯切れが良くはないものの、『新・リュミエール』も同様の操作が可能なことを示唆しています。フランス語のサイトでは、FrançaisFacile.comの説明の仕方も、これと同様です。

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