2009年9月20日日曜日

シーレを見る、ブリヂストン美術館に寄る


シーレ、『ひまわり』
(1909)
ウィーン・ミュージアム(旧ウィーン市立歴史博物館)所蔵の絵画を展示する、日本橋高島屋アートギャラリーの「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」に行く。

クリムトに期待して行くとちょっと失望するかも。油彩は『パラス・アテナ』、『』ほか4点。


シーレ、『意地悪女』(1910)
小規模ながらすばらしいのはシーレの展示。この人の鉛筆やチョークの線を間近に見られるのは至福。クリムトの線が工房の線だとすると、シーレの場合は、エゴでこりこりの芸術家の線。私としては、今回はシーレに軍配。ちょっとしたサインや日付の配置まで含めて、本当にデザイン感覚の塊のような画家だなと思った。絵はがき大の小さなデッサンまで含めて、見ていてとにかく楽しい。油彩の傑作は、右の『ひまわり』。ところどころで出てくるグワッシュの使い方も面白かった(左『意地悪女』)。

お昼ごはんのあと、ブリヂストン美術館へはしご。山田登世子氏の講座「誰も知らない印象派—セーヌからノルマンディまで」を拝聴。これがまたかなりすごかった。ルノワールの『舟遊びの昼食』、『ブージヴァルのダンス』、モネの『ラ・グルヌイエール』などパリ郊外セーヌ沿岸にまつわる多数の印象派絵画を引きながら、話はいつしか思いもつかぬ方向へ…。たぶんこれから活字にするおつもりのはずで、こういうところでネタばれはまずいでしょう。とにかく、思いがけず面白い話が聞けてしまったのでした。

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