2020年2月7日金曜日

電子辞書「大学生モデル」は買うな④ 〜大辞典はなにが必要?

たとえ10万語クラスの辞書であっても、万能というわけにはいかないのは言うまでもありません。

『ウィズダム英和辞典』の英検2級の長文問題のカバー率(本文の単語が辞書の見出し語一覧に含まれる割合)は94.9%にとど­まり、さらに英検1級となると、その数字は90.3%にまで落ちるというデータもあります(こちら参照)。言葉にはつねに特殊な固有名詞や専門用語が含まれ、また時代とともに言葉も変化してい­くわけで、生きた文章のすべてを一冊の辞書に収めることは本来不可能でしょう。いずれにせよこのデータは、大学生がその学習レベルにふさわしい文章を読んでいれば、一定の割合で必然的に学習辞典ではカバーしきれない単語に出会うことを示しています。

三省堂のサイトより
三省堂のサイトより

ですから、学習英和に収緑されていない語­彙を収める大型の英和辞典が、大学生活のなかではやはり必要になるわけです。これが「大辞典」と呼ばれるクラスの英和辞典です。

上級学習英和辞典が郊外都市の総合スーパーだとするなら、英和大辞典は、池袋西武、新宿伊勢丹、横浜そごうのような、伝統ある大都市大型百貨店というところでしょうか(関東以外のかた、伝わりにくくてすみません)。

すでに述べたように、基本的情報を調べる役目は、つねに改訂されている学習英和辞典に任せましょう。そして、そこで見つけられない特殊な単語や表現、派生語や複合語などを見つけたいとき、語源を調べたいとき、あるいは固有名詞や専門用語をネット検索するまえに、より安心できる情報がないか確認したいとき、そんなときが、英和大辞典の出番になります。

大学生活をはじめるにあたって、以下の3つの英和大辞典のうちどれかひとつはもっていなければなりません。

  • ジーニアス英和大辞典(大修館書店)
  • 新英和大辞典(研究社)
  • ランダムハウス英和大辞典(小学館)

これらは25万5千~34万5千という語彙を収録しており、例文も豊富です。これに加えて、47万語を収めるリー­ダーズ英和辞典とリーダーズ・プラス(研究社)のセットがあれば万全です。

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