2020年2月7日金曜日

電子辞書「大学生モデル」は買うな③ 〜上級学習英和の実力

高校生モデルの電子辞書が採用している「上級学習英和辞典」の話を続けます。

このクラスの英和辞典は、このうえのクラスの大辞典に比べ利用者の幅が広く、各社の競合も激しいので、それぞれ読者をとらえるための工夫がなされていて、改訂も頻繁です。ジーニアス、ウィズダム、オーレックスの最新版は、それぞれ2014年、2018年、2016年に出版されています。

そのため、最新の英語学の研究の成果をいちはやく取り入れるのもまた、これらの上級学習辞典なのです。先述の関山先生は、『ウィズダム英和辞典』について、こう説明しています。「文法書、語法書顔負けの詳しい囲み記事やコーパスを検索した結果に基づいた詳細な記述は、他のタイプの辞書の追随を許しません。統語論、意味論、語法研究といった,英語学の最新の知見が惜しみなく本文に反映されているため、私を含め、研究者が真っ先に手をのばす辞書でもあります。」(こちらを参照)

世の中には収録語数の多い辞書ほどよいとする信仰も根強くあります。思うにそうした考えかたをする人々のなかには、上級学習英和の日進月歩の時代(ジーニアス英和辞典(1987年初版)が先鞭をつけ、ウィズダム英和辞典(2003年)あたりから本格化したと言っていいでしょう)以前に学生時代を過ごされ、辞書についての考えかたがそれ以降アップデートされていないかたも、少なからず含まれているのではないでしょうか。

われわれ日本人にも国語辞典が必要なように、どんなに英語学習レベルが上がったとしても、基本単語の意味を調べ、文法や語法の解説を確認することはつねに必要です。そして、そのために最適な辞書は、英和大辞典ではなく上級学習辞典なのです。実際、英検1級レ­ベルの実力の持ち主でも、このクラスの辞書を愛用しそこから日々新たな知見を得ているものです(こちら参照)。

ましてや大学生なら上級学習英和を頼る必要のないほどの英語の達人はほとんどいないはずです。高校生モデルは、これらの辞書のほぼ最新版を収録しています。受験勉強が終わったこれからこそ、これらの辞書をメインでフル活用していくべきでしょう

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