2020年2月12日水曜日

電子辞書「大学生モデル」は買うな⑥ 〜代わりの手段はいくらでもある

電子辞書の中身を一覧にしてみると、英語関係だけて大変な量です。この量だけでも圧倒されてしまい、4万円前後なら安いものだと、最新の大学生モデルを生協の勧めるままに購入してしまいがちです。

しかし、これらの辞書がすべての学生にとって不可欠というわけではありません。必要性は大学のカリキュラムに­よってまちまちなので、様子を見ながら必要なら手に入ればいいくらいに構えていればいいと思います。

けっして、慌てて決断しないようにしましょう。これらの辞書のうちのいくつかは、じつは無料でも使えるものが含まれているはずです。あるいはお金を払うにしても、新型の大学生モデルを購入するよりずっと安く手に入れる方法があります。

1. アプリの辞書を買う

一番おすすめしたい方法は、電子辞書に入っているのと同一あるいは同等の辞書をアプリのかたちで購入し、スマートフォンやタブレット上で利用することです。

スマホで辞書というと眉をひそめる人がいまだに多くいます。そのなかには、スマホの辞書について誤った認識を抱いたまま遠ざけている人がかなりいるようです。

電子辞書に入っている語学辞書のおもなものは、たいていモバイルアプリでも手に入り、スマホやタブレットにインストールすることができます。これらはもともと書籍の辞書として定評のあるもののデジタル版ですから、当然内容に問題はありません。ひとたびインストールすればオフラインで使用できますし、高い値段を出して買うものですからもちろん広告などは出てきません。

アプリの辞書は、同じ辞書を書籍やCD-ROMで購入するより安く手に入れられるのが普通です。それでも、電子辞書の内容をすべてそろえようとすると高くついてしまいますので、使用頻度の低いものは以下の別の方法で手に入れることを考えるべきでしょう。

2.iPhone、iPadの内蔵辞書を利用する。

アップルはiOS(iPadOS)ユーザーに各国語の辞書を無料で提供しています。スーパー大辞林、ウィズダム英和・和英辞典のほか、英英辞典としては大学生モデルに収録されているオックスフォード英英辞典が使えるなど、非常に充実した内容です。

Safariで単語選択して「調べる」をタップするなどして簡単にその意味を調べられるほか、特別なアプリを使えば、ダウンロード済みの内蔵辞書を一括検索することもできます

3.大学図書館のデータベースを利用する

たいていの大学図書館はオンラインの辞書・事典データベースと契約しているので、学生や教職員はこれに含まれる辞書を無料で閲覧することができます。学外からのアクセスが許可されていることが多いので、スマホやタブレットからアクセスして、これらを電子辞書のような感覚で使うことも可能です。

なかでも、ジャパンナレッジ研究社 Online Dictionaryはきわめて有用で、内容だけで言えば、このふたつのデータベースだけでほとんど大学生モデルの電子辞書の代わりになるほどです。

ジャパンナレッジのほうは広く普及しています。下の表のように、英和大辞典、学習英和・和英辞典、英英辞典が引けるほか、専門用語に特化した英語辞書も充実しています。また、百科事典、国語・古語、漢和辞典、ヨーロッパやアジアの言語の辞典など、その情報量は圧倒的です。

これに対し、研究社 Online Dictionaryを導入している大学はまだ少ないようです。研究社の代表的な辞書が一括検索できるので、これがあれば英文読解だけでなく、英作文や専門用語対策にも大いに役に立つはずです。

ただし、オンラインですから利用環境の制限を受けますし、ログインなどの手間もあるので、英和辞典のように頻繁に引く辞書はアプリで購入したほうがいいと思います。いっぽうで、よほど頻繁に利用するのでないかぎり、英作文用の辞書や専門辞書はオンラインでも十分でしょう。

4.その他のオンライン辞書を利用する

それ以外にも、インターネット上にさまざまなオン­ライン辞書が公開されています。信頼性の高い辞書が無料で使えるケースもかなりあるので、知っておいて損はありません。

既存の辞書を広告つきで無料公開しているコトバ­ンクWebIioのような統合型のオンライン辞書サイトは、すでにご存知のかたも多いと思います。朝日新聞が主体となって作られたコトバンクは、とりわけ百科事典を手軽に引けて重宝します。研究社の新英和・和英中辞典などさまざま英語辞書を一度に検索できるWeblioは、専門用語を調べたいときにも強い味方になってくれるでしょう。

また、名の通った英英辞典のなかにも、広告つきの無料オンライン版のあるものがかなりあります(たとえば、高校生モデルで採用されているオックスフォード現代英英辞典ロングマン現代英英辞典)。

既存の辞書ではないオリジナルコンテンツながら、すでに一定の信頼性と市民権を獲得しているオンライン辞書・事典もあります。膨大な英和・和英対訳データの集積である英辞郎は、ときには専門用語事典よりも頼りになるかもしれません。そして、いまさら説明不要のWikipediaも、貴重な情報源ですね。

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